大阪 豊中での、赤松林太郎先生のピアノリサイタルに行ってきました。
大阪の先生方が生徒さんたちにお声掛けしたのでしょう、会場には小さなお子さんもたくさん来ていました。小さい頃からホールに出掛けてコンサートが聴ける環境って、羨ましいですね。
そんな小さなお客様に配慮してか、前半にはモーツァルトの『トルコ行進曲』のついたソナタも。このソナタの第1楽章は変奏曲(ひとつの主題を、軽やかにしたり、しっとりしたり、おごそかにしたり…いくつものいろんな表現で演奏する曲)になっていて、しかもそれがいちいち「繰り返し」つきになっていて。変奏曲ってだけでもくどいのに(笑)、子どもの頃には「うへー…」と思ったものでした。
が、赤松先生の第1楽章は、繰り返した後にぐっと深みが増します。1回目は「今度はこんな変奏ですよ」という紹介、2回目でぐっと表現が厚くなる感じ。
繰り返しがある場合、「同じことを2回やるのではダメ」といいますが、具体的にどう演奏を変えればいいのかを教わった機会ってなかったように思います。(ていうか、「繰り返しは省略」というレッスンがほとんどだったような…。)
「繰り返し」って、演奏表現を考えるとても大切な機会になるのですね。もっと大切にレッスンしていこうと思いました。
そして、美しかったシューマン/リストの『献呈』。
この曲は、シューマンの歌曲をリストがピアノ曲にアレンジしたもの。
もとの歌曲は、シューマンが結婚式前夜に妻となるクララに捧げたというロマンティックなエピソードもあります。(歌詞は、読んだだけで照れてしまいそうなラブソングです!)
今年はシューマンの妻でありピアニストであったクララ・シューマンが生まれて200年。
それにちなんでの選曲でしょうか。
(赤松先生は、クララ・シューマンコンクールの受賞歴もお持ちです。)
もし「赤松林太郎があなたのために1曲弾きます。何がいいですか?」なんていう企画があったら(ないけど)何がいいかなぁ、と妄想したら、「リスト?いや、シューマン!」と思う私にとって、リストとシューマンが一度に味わえる素晴らしいプログラムでした。
…と、言いつつ。。。
この演奏会、圧巻だったのは後半の『展覧会の絵』!
『全身全霊』という四字熟語はこの演奏のためにあるのだという演奏でした。
客席の全神経が、一点にぎゅっと引き付けられているのを感じました。
今から思うと、客席には小さいお子さんも少なくなかったのに。
最後の音が鳴り終わった時、ものすごく大きなことを成し遂げたような達成感に満たされました。(自分が弾いたわけでもないのに。…っていうか、弾けないけど。)
アンコールでは、You Tubeで視聴して以来、一度生で聴いてみたかった赤松先生の『剣の舞』も聴けたし、本当に大満足。特にアンコール3曲目の『英雄ポロネーズ』は赤松先生ご本人も多分リラックスされていたのでしょう、とても楽しい演奏で、終わった瞬間に客席の私の周辺で笑みがこぼれていました。
音楽の栄養補給はばっちり。
レッスンも温度を上げていきますよ!